橡(つるばみ)は、ブナ科の落葉高木のクヌギのことです。5月頃に花をつけ、秋に丸みのある大きなドングリをつけます。
ドングリの実を煮出して、鉄を媒染材として、紺黒色の染料として使ったそうです。これで染めた衣は、庶民のための質素なものだったとか。
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万葉集に六首あり、派手さはないけれど、しっかりとした恋を歌ったものです。
橡の衣は人皆事なしと言ひし時より着欲しく思ほゆ
橡の解き洗ひ衣のあやしくもことに着欲しきこの夕かも
橡の袷の衣裏にせば我れ強ひめやも君が来まさぬ
橡の一重の衣うらもなくあるらむ子ゆゑ恋ひわたるかも
橡の衣解き洗ひ真土山本つ人にはなほしかずけり
紅はうつろふものぞ橡のなれにし来ぬになほしかめやも